2012/12/12

edXのクラスを半分終えてみての発見とか感想


いま受講しているedXのクラスが、ちょうど半分ほど終わりました。

edXって何?」という方は、僕がedXを受講し始めたときの投稿なんかを参考にしていただければと思います。

edXとは、ひとことでいうと、最近たくさん出てきている「オンライン教育サービス」のひとつ。数あるサービスの中でもedXには特に次のような特徴があります。
  • MIT・ハーバード大学といった既存の大学の教授陣により企画・運営されている
  • 大学の講義とほぼ同じ「レクチャ+小テスト+中間・期末テスト」という形態
  • クラスの開講時期が定められており、テスト期間などもあらかじめ決められている
  • ちゃんと受講すれば成績の評価も行われ、無事修了すると合格証ももらえる(ただし申請と費用が必要なようです)

ちなみにこのあたりの教育サービスは最近「MOOC」(Massive Open Online Course)という用語で括られて呼ばれることが多いようです。

今回僕が取ったのは「6.00x Introduction to Computer Science and Programming」というクラス。

現状は、成績の大きなウェイトを占める「2度の中間テストと期末テスト」のうち、2つ目の中間テストが先日終わったので、ほぼ半分来たかなという状況です。まだ半分ほどですが、今回受けてみて感じるのは「事前に予想していた以上に多くのいろんなことを学ばせてもらっている」ということです。

ちなみにここまで受けたレクチャのタイトルに出てきた単語は

イントロ プログラム アルゴリズム 関数 再帰 オブジェクト デバッグ 効率 オーダー メモリ 検索 クラス オブジェクト指向プログラミング グラフ化 シミュレーション ランダムウォーク サンプリング モンテカルロ法 統計的思考 ランダムネス 曲線近似

などなど(意訳込みです)。

コンテンツである「プログラミング」についてはもちろん、その他にも多くの発見、学びをもらっている感じがします。そのあたりの発見や学びについて、以下、手短に挙げてみたいと思います。

いまの技術でオンライン教育にできること
いまそうそう高くないコストで
  • 動画を使ったレクチャ
  • テキストやスライドなどの資料配布
  • 小テストや中間・期末テスト
などなど、よくある大学の講義で行われることのほとんどはオンラインでも可能なようです。

また、オンライン教育では受講生同士のディスカッションと相互サポートを促進するフォーラムが可能です。一定数以上の受講生の意欲が高ければ、このあたりもうまく機能し、良い受講体験の一部となるようです。

また、多くの受講生がつまづいているポイントなんかはフォーラムを見ていればわかるので、TA(ティーチングアシスタント)による受講生のサポートなんかも、大学の講義と近いレベルで可能です。

講義の日程変更なんかもメールで通知されるので、その点は大学の講義よりもすぐれているのかなと(と思うのですが、ここは、僕が学生だった当時の認識に基づいて。最近の大学では、休講情報がメールで送られるとか・・・)。

いまの技術でオンライン教育にできないこと
受講してみて「そういえばそうだなぁ」と思ったところとして
  • ほかの受講生たちとのディスカッション
  • みんなの前でプレゼンテーション
なんかはオンラインではまだやりにくいかなと思います。

技術的には可能かもしれませんが、気持ちの問題として、面識のない他の受講生たちとやるのは抵抗がありますし、受講資格を設けない場合は受講生のコミュニケーションスキルの幅なんかも広いでしょうし、このあたりをうまく機能させるには、まだいくつか課題はありそうです。

MITの教授の講義スタイル
担当しているレクチャは数人なのでごくわずかなサンプルに過ぎませんが、「こういう講義をするんだなぁ」と思ったところとしては
  • 表面的な部分だけではなく、ベースのロジックや背景もきちんと説明してくれる
  • ところどころに興味をかきたてる歴史上のエピソードや面白い事例をはさんでくれる
  • 「それをすると何がいいのか」という「WHY」の部分の説明が丁寧
  • 全体的に説明がシンプル
というところ。

本題ではないですが、英語ネイティブっぽい先生の講義は何言ってるのかわかりません笑。。。ただ動画には必ずキャプションがついている(文字起こしがされている)ので、聞こえなくても大丈夫です。

オンライン教育で起こりうる問題
オンラインコースならではの問題として次のようなことが起こったりするということもわかりました。
  • 採点システムにバグがあったときの対応が大変
  • サーバが重くなり受講生がスムーズに講義を受けられなくなる
  • 受講生が外部のフォーラムを使ってカンニングをする
  • やさしすぎる受講生が他の受講生に答えを教えてしまう

最後の「やさしすぎる受講生が・・・」というのは予想外でしたが、結構たくさんの人がほかの受講生をサポートしてくれて、ちょっと過剰かなと思う例も多く見られます。

絶妙なヒントを与える人もいれば、「答え言っちゃってるじゃんそれ」というのも。困っている本人のためを思うと、いいのか、悪いのか。。このあたりもとても勉強になります。

動画の限界
これはedXの内容とは直接関係ないのですが、教育において動画は万能というわけではない、ということも大きな発見でした。

なんといいますか、技術的な面で動画はほかのツールに比べて目新しく、「動画を使ったオンライン教育!」というと大きく注目を集めるところがあります。だけど、動画というのはどこまで行っても、あくまでも「受身型のツール」でしかない、ということも今回わかりました。

人が何かを学習するとき、「受身型」のスタイルで学べることもあれば、学べないこともあります

たとえば、プログラミングなんかでは、プログラミング未経験者が学ぶときは新しい考え方を身につけるために、「脳の神経回路の組み換え」が必要になるように思います。

「組み換え」といってもたいそうなお話ではなく人が日々変化する中で日常的に起こっていることで、「新しい思考パターン」を効率的に行うために「神経細胞間に新しいパスを通す」ということ。

そういう処理には化学的・物理的なエネルギーがある程度必要で、そこには一定の努力が必要です。そして、いまのところ、その最短で王道の道というのは、「能動型」のスタイルでやること――自分の頭で考えて手を動かしてトライアル&エラー&反復をして脳に覚えさせること、にほかならないようです。

それが、動画をただ見ているだけではなかなか。

これは今回、実感としても味わうことができました。学習や教育においてまだまだ効率化/改善できる部分はあるけれど、「本人が能動的にどうにかしなけりゃどうにもならない」という部分もたくさんあるようです。

この「動画の限界」ということについては、「動画の教育コンテンツに騒ぎすぎじゃない?」という旨のブログ投稿もありました。鋭い指摘がされてておもしろいので、英語の投稿にはなりますが、英語OKの方はよろしければ。


・・・と、とりとめのない感じになってしまいまいたが、こんな感じです。

ちなみにフォーラムはこんなのです。

いまは、受講していて「世界中からいろんな国の人たちが同じコースを受けている」ということに素朴にワクワクするのですが、こういう感動も、長くは続かないものなのかもしれませんね。。

インターネットの初期の頃の「ピー!ガチャンガチャン!」の頃って、「世界とつながっている」というだけでもう未来に生きているようなフワフワした感覚を覚えたのですが、いまはほぼ24時間つながっている中そういう感動はなかなか味わえなくなりましたもんね。。

・・・とはいえ、edX、いまは存分に楽しませていただいています。学ぶところ多くて、おもしろいです。

本当に、いい時代に生きさせていただいてます。引き続き、がんばります。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

先月edxのあるクラスを終了しました。
留学の雰囲気を、多少なりとも味えるかとの思いがありました。内容は理系科目で、式や図を見れば内容は何とかわかりました。最初はクイズ感覚で片手間にやってましたが、途中から気合いを入れないと解けなくなってきました。
 9月からはさらに2科目挑戦します。

ゴトウハヤト さんのコメント...

コメントいただきありがとうございます!

そうですよね、軽い気持ちで受け始めたら後からなかなかいい感じに難易度上がっていきますよね笑

今後も継続して受けられるんですね。ということは、先月まで受けられていたクラスがなかなか良かった、ということでしょうか。
僕も、細々とではありますが、人口知能のコース、ウェブアプリケーションのコースなど引き続き受講してみています。

引き続き受けられるとのことで、またご感想をお聞かせいただけるとうれしいです!