2011/08/23

なぜ仕事場にいると仕事にならないのか

なぜ仕事場にいると仕事にならないのか」というスピーチ動画がありました。原題は「Why work doesn't happen at work.」。


Jason Fried: Why work doesn't happen at work | Video on TED.com

仕事環境の新しい「あるべき姿」について考えさせてくれるスピーチです。

スピーチの内容はざっとこんな具合です(僕の解釈も入っています)。

メインメッセージ
これまでの常識に縛られず、クリエイティビティを発揮できる仕事環境を作ろう

問題
一般に、オフィスは仕事をするための場所だけど、オフィスでは仕事が捗らない。
  • 現在、オフィスで働くのが当たり前となっている。
  • しかし、オフィスでは仕事が捗らない。
  • 人々が「仕事が捗る」と言う場所は、たいてい、家のカウチやカフェ、電車などオフィス以外の場所

問題の意義や原因
仕事にも睡眠と同じようにリズムがあって、生産性を高めるにはそのリズムを壊さないことが大切。だけど、それを壊してしまうものがオフィスには多い。特に、マネジャーとミーティング、この2つのMが大きな問題。
  • 仕事には睡眠と同じ「リズム」がある。同じ時間ベッドに寝ていても、ぐっすり眠れるときもあれば眠れないときもある。仕事もそれと同じ。
  • しかし、オフィスにはそのリズムを崩すものある。
  • それは、受動的なディストラクション(本人の意思に反して仕事を中断するもの)。
  • 中でも大きなものは、2つのM:マネジャーとミーティング。

問題解決のためのイチ提案
お互いに仕事のリズムを壊さないような仕事環境作りを進める。特にマネジャー職にある人は注意が必要。
  1. ノートークサーズデー(カジュアルフライデーになぞらえて)
  2. 口頭は辞めてメール
  3. ミーティングを辞める

・・・以上です。

このスピーチを見て思ったことを2点ほど挙げてみます。

指摘はもっともだけど、この提案を取り入れられる職場はごくわずかだろうなぁ
今オフィスには多くの問題があって、それを解決すれば、もっと仕事は捗るし、生産性は上がる。それはもっともだと思います。

だけど、実際このスピーチを聴いて、「じゃあ、うちも職場を改善するか!」と環境を変えていける職場はごくごくわずかだろうなぁと思います。

難しい理由はたくさんあると思うのですが、以下、4点ほど挙げてみます。
  1. そもそも、リズムや静けさが仕事のクオリティに直結する、という認識を持っている人が割合的に少ない。逆に、「ワイガヤ好き」な人が多い。
  2. 生産性を高めたいと本当に思っている人も、割合的に少ない。業績がダイレクトに自分にはね返ってくる経営者と一部の積極的な社員を除いて、多くの人たちは「生産性を高めたい」とは思っていない。
  3. 人をマネジメントすること、人を支配することに喜びを覚える人がいる。そういう人たちにとっては、口頭での指示やミーティングを開くことが自分の価値を確認する機会として大切。そういう人たちが力を持っているかぎり、ミーティングを開くこと自体が目的になるし、ミーティングはなくならない。
  4. そして、一番の問題は、自律的に仕事ができる人が少ないということ。ドラッカーが言う「知識労働者をマネジメントできるのは自分自身だけ」「知識労働者は成果を上げるべく、自らをマネジメントしなければならない」ということの意味を理解し意識している人はまだ割合的には少ない。

今は、働き方の「あたらしいあたりまえ」を作っていくべき時代
上述のとおりさまざまな問題があるため、仕事場が変わるのに時間はかかると思います。しかし、ICTの急速な発達で、働き方のあるべき姿は確実に変わっていきます。

このスピーチを聴いて、これまで当然だと思っていたものがもはや当然じゃないんだな、ということを思いました。たとえば
  • 1日8時間、週5日、みんなで同じオフィスで働くというワークスタイル
  • いつでも、好きなタイミングで人に声をかけてもよいというルール
  • 仕事内容を管理するためのミーティング
など。これら当たり前だと思っていることが、いまや、ICT革命のおかげで空間的な制約も時間的な制約も大幅に緩和され、現実問題、すでに必要なことではなくなってきています。

新しい働き方をいち早く取り入れ「ノマド」として働いている人もすでにいますが、割合的にはまだごくわずか。これが、デスクワーカーの5割、少なくとも3割くらいまで増えていけば、生産性は上がり、過剰な通勤ラッシュは緩和され、地域コミュニティのつながりは増え、会社員のストレスは減り、とイイことだらけ。その結果、もっともっと、余裕と思いやりのある人たちが増えればなと思います。ただ、そのときには新しい問題が発生するんかな。。。

おまけ
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