2011/05/08

人間の特性:選択肢が多すぎるとしんどい

「自由=幸せ」。人間は「自由であればあるほど幸せになれる動物」だと一般に考えられてきました。自由とは個人の意思を尊重することであり、一人ひとりの人間がより自分らしく生きることができる社会の基盤である――そのような考えのもとに、多くの選択肢を揃えた製品(「多品種少量生産品」)が開発されてきました。

しかし、その考え方が必ずしも正しくないということ、実は過剰な選択肢は人を苦しめるということが、心理学者シーナ・アイエンガー(Sheena Iyengar)によって示されています。

アイエンガー教授の行った「jam study」(6種類のジャムと24種類のジャムを用いた実験)によると、選択肢が多いときは少ないときよりも判断を下しづらくなることがわかっています。

被験者に2つのテーブル――6種類のジャムを並べたテーブルと24種類のジャムを並べたテーブルの2つを用意したところ、どちらのテーブルでも試食をした人の人数は変わりませんでした。しかし、最終的にジャムを購入した人の割合を見ると、6種類揃えたテーブルの場合は30%、24種類のテーブルではなんと3%、と非常に大きな差が開いてしまったそうです。

なぜ過剰な選択肢が人を苦しめるのか。その理由として
1.選択前の段階:判断に費やすエネルギーが増える
2.選択後の段階:その他の選択肢が気になって自分の選択に自信が持てなくなる
といったもの考えられています。

このような人間の特性を考慮して「選択肢を意図的に減らし、顧客のストレスを減らす」工夫がなされた例として、Appleの製品やマクドナルドのバリューセットなどがあります。


おまけ
人間の「選択」に関する特性について詳しい書籍はこちら。
・「選択の科学(The Art of Choosing)」 / シーナ・アイエンガー(Sheena Iyengar)
・「なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴(The Paradox of Choice: why more is less)」 / バリー・シュワルツ(Barry Schwartz)

シーナ・アイエンガー、バリー・シュワルツともにTEDでスピーチを行っています。スピーチ動画はこちら。


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