2010/05/28

メディアの質を決めるSN比


情報工学に「SN比」という概念があるそうです。正確には、SN比とは「Signal-to-Noise Ratio」(信号対雑音比)の略で、「ある信号群に含まれる信号と雑音(ノイズ)の比」を表す言葉だそうです。一般に、その値が高ければ高いほど、その信号群は良質だということになります。

この考え方を応用して「メディアのSN比」というのを考えることができます。すなわち、メディアが発信する情報のうち、価値のある(価値の高い)情報と価値のない(価値の低い)情報の比率、というのが考えられます。

その考え方で、2つのメディアを対比させながら「より良いメディア」について考えてみたいと思います。

例1…トータルの情報量が同じ2つのメディアA/B
次の2つのメディアの比較を考えます。
・A 価値の高い情報…8、価値の低い情報…2
・B 価値の高い情報…5、価値の低い情報…5
「どちらが良いメディアか?」と聞かれたら、答えは「A」になるかと思います。これはシンプルですね。

例2…価値の高い情報の量が同じ2つのメディアC/D
次の2つのメディアの比較を考えます。
・C 価値の高い情報…10、価値の低い情報…5
・D 価値の高い情報…10、価値の低い情報…100
こちらの例で「どちらが良いメディアか?」と聞かれた場合、現在の情報過多の時代における答えは、「D」ではなく「C」になるかと思います。価値の高い情報の量がある程度あったとしても、価値の低い情報がそれ以上に多ければそのメディアの価値は下がります。


…ということで、メディアの価値、ひいてはブランドを高めるためは「価値の高い情報をよりたくさん届ける」ようにすればいいのですが、それと同時に「価値の低い情報をなるべく届けないようにする」ことも必要になってきます。「価値の高い情報」をどれだけ多くしても、価値の低い情報(ノイズ)も同様に多ければ、そのメディアはいずれ、丸ごと無視されるようになってしまいます。そうならないためにも、現代のメディアには価値の低い情報は届けないようにする努力が必要となります。



ここでは「メディア」という括り方をしてみましたが、このことは企業のマーケティングコミュニケーションやブランドメッセージにも、個人の対人コミュニケーションにもデザインにも言えるかと思います。企業活動においても、個人のコミュニケーションにおいても、「SN比」ということを念頭に置いていたいと思います。


おまけ
ちなみに英語のwikipediaの「SN比」のページには次のように書いてありました。

"Signal-to-noise ratio" is sometimes used informally to refer to the ratio of useful information to false or irrelevant data in a conversation or exchange. For example, in online discussion forums and other online communities, off-topic posts and spam are regarded as "noise" that interferes with the "signal" of appropriate discussion.
(意訳)「SN比」という用語は、対話や情報交換の文脈において「有用な情報」と「有用でないデータ」の比率、という意味で使われることもあります。たとえば、オンラインのディスカッションフォーラムやその他のオンラインコミュニティにおいて、トピックと関係ない投稿やスパムは、適切なディスカッションという「シグナル」を妨げる「ノイズ」と見なされます。

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